2018年4月に理事長に就任して以来、多くの関係機関の方々にお会いする度に、埼玉県立大学への信頼や期待の言葉を頂きます。これは開学から20年にわたって培ってきた本学の力であり、大変誇らしく感じております。
大学創立から現在に至るまでにおよそ7,300名の学生や院生が卒業あるいは修了しました。この間、埼玉県をはじめとする行政機関や県内外の実習施設、他の大学関係者、そして地域の皆様と多くの方々に支えられてきた歴史の賜物です。これまで本学に関わりを持っていただいた全ての皆様方に厚く御礼申し上げます。
さて、2040年に至る30年は、人口の年齢構成の上でかつてない時代の転換点を迎えようとしています。埼玉県でも75歳以上人口が全体のほぼ10%に達するなど、「人生100年時代」と呼ばれる超長寿化への対応が強く求められています。
こうした人類が未だ経験したことのない少子化・高齢化時代の地域社会のありかたについての研究や検討が熱心に行われている状態です。本学も地域に役立つ研究の拠点として活動を続けております。
ところで埼玉県立大学は、「陶冶」「進取」「創発」の3つの言葉を核とした「基本理念」を礎に、「保健医療福祉に関する教育研究の中核となって地域に貢献する」ことをミッションとしています。
保健医療福祉分野における社会のニーズに対応できる人材を育成し、また、地域社会の発展に資する研究を推し進めていく姿勢が、今後ますます求められていくでしょう。
そのような中、20周年記念事業のコンセプトは、「感謝を込めて」「地域とともに」「飛躍を誓い」といたしました。
これまでのご支援に心から感謝するとともに、優れた人材の育成や研究により地域に貢献する大学として更なる飛躍を誓い、保健医療福祉分野における日本一の大学となるよう教職員が力を合わせ努力してまいります。引き続き、ご支援、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
2019年度には20周年を迎えた喜びを多くの皆様と分かち合う記念事業を開催いたします。皆様にお会いできる機会を楽しみにしております。
公立大学法人埼玉県立大学 理事長 田中 滋