専門領域(学科)を超えて連携した上で、利用者ニーズに応えることができる人材を育成するため、同じ場所でともに学び、お互いから学び合いながら、お互いのことを学ぶIPE(Interprofessional Education)(専門職連携教育)の具体的な取組である「IPE科目」の5科目を紹介します。
1年次
ヒューマンケア論
編入学生も含め、入学した全ての学生が必ず履修する、人間らしい細やかな気づかいについて学ぶ科目。「連携と統合」の根底にある考え方を学ぶものです。
あえてケアに「ヒューマン」を付け加えているのは、保健医療福祉の分野では、特に、「人間的」なケア(気遣い)が希求されているからです。
また、この科目を含む、連携と統合科目群は、学長をはじめ、各学科の教員が分担・連携して担当しており、異なる学科の教員からの講義等を受けることが、バランスのとれた人材育成につながっています。
ヒューマンケア体験実習
保健医療福祉の実践現場(フィールド)において、援助を必要とする人、援助をする人、チームメンバーと直接かかわり、ヒューマンケアを体験する必修科目。学科の枠を超えてチームをつくり、フィールドで学ぶことにより、(1)自分の人とのかかわり方を客観視する姿勢、(2)グループメンバーと協力し合う姿勢、(3)援助を必要とする人々のニーズや保健医療福祉に携わる人々の役割へ関心を向ける姿勢、(4)多様な人間観・価値観を理解しようとする姿勢を養うことを目的としています。
1年次前期授業の最後に4日間連続で、県内外の約80の施設や病院の協力を得て、全学生が一斉に受ける体験学習です。
2年次
IPW論
IPW論は、保健医療福祉・教育分野の多職種が、患者・利用者中心の支援活動をチームで行うための基本的な考え方とスキルを学び、3年次のIPW演習、4年次のIPW実習に発展していく科目です。
IPW論では「尊重」をテーマに、自分が目指す職種及び自分以外の関係職種の理解、及びチーム活動の基本的なスキルの獲得を目指します。これらに関する考え方・理論を講義にて教授するとともに、異なる学科の学生による混合グループでチーム活動を行い体験を通じて学びます。
ヒューマンケア論(共有)、ヒューマンケア体験実習(発見)を基盤として、IPW論(尊重)、IPW演習(合意)、IPW実習(創造)と学年進行に伴って連携と統合のための能力を養う保健医療福祉科目の一科目です。
3年次
IPW演習
多学科混成チームで取り組むIPW演習は、保健医療福祉、教育の多職種による模擬課題や事例を素材として、利用者を尊重した問題解決のプロセスを通じ、多職種理解や多職種連携で重要な葛藤(違和感や困難さ)や合意形成など、IPWに求められる能力を体験的に修得する科目です。
本科目は、一連のIPE科目(ヒューマンケア論、ヒューマンケア体験実習、IPW論)での学び、すなわち保健医療福祉、教育におけるIPWを支える価値観や態度、スキルなどを統合させ、問題解決のプロセスと同時にチーム形成の深化を体験することを目標とします。毎回のチームと個人によるリフレクションを活用し、IPWでの学びを意図的な試みとして、4年次のIPW実習へと発展させます。
4年次
IPW実習
連携と統合を実践するための総仕上げとなる必修科目。病院や福祉施設の現場で利用者や施設職員等から話を聞き、利用者にとっての最適なケアについてチームで検討していくものです。4年間培った自らの専門性を大切にしながらも、利用者の要望に焦点を合わせ、様々な専門職と考え方や方針をすり合わせていく実践的な能力を身に付けることができます。IPW実習でも、ヒューマンケア体験実習と同じく学科横断的にチームを組みますが、さらに埼玉医科大学医学部の学生も加わっており、まったく異なる環境で勉強をしてきた学生が一緒になって現場で学ぶ演習といえます。全学科必修で、学科横断的に、かつ他大学と連携して演習を行う例は全国になく、参加する学生や協力する病院や施設の数も他大学に比べ多いなど、本学ならではの授業です。
4大学の共同教育プログラム
彩の国連携力育成プロジェクト
ともに学び、ともに感じ、ともに創る。そんな経験が私たちの暮らしを支える「連携力」に。埼玉県立大学、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学の連携による新しい教育プログラムが始まっています。
彩の国連携力育成プロジェクトについて