大学歌完成披露式典に当たり、一言ご挨拶申し上げます。
美しいメロディーの大学歌を作曲していただき、素晴らしい歌声でご披露いただきましたました高橋浩美先生、基本理念を的確に反映し素晴らしい作詞をしてくれました丸山暁さん、ありがとうございます。心から御礼申し上げます。
本学の設置者である埼玉県 埼玉県庁の関本保健医療部副部長をはじめ、ご来賓の方々のご臨席をいただき、また、多くの学生や教職員の皆さんとともに、このように大学歌完成披露式典を挙行できますことを、心から嬉しく思います。
本学は平成11年に開学し、今年で18年目になります。卒業生は6400名にのぼり、県内外の保健医療福祉の関連施設等で活躍されており、非常に高い評価を得ています。私はこの大学をさらに充実させて、同じような大学の中で日本一にしたいと思っています。
一昨年度に大学院博士後期課程の設置が文部科学省に認められ、教育と研究という大学の両輪がしっかりと備わることになりました。
これを踏まえ、昨年度には教職員の意見を募りながら、大学の基本理念を定めました。お手元のパンフレットに基本理念を載せておりますが、埼玉県立大学は、保健医療福祉分野の教育・研究の大学でありますので、特に人間性の涵養に焦点を当て、かつ、連携と統合という多職種連携教育の伝統を踏まえ、陶冶、進取、創発という基本理念を定めました。
また、教育の場で、人間性の涵養の観点から学生を教え導いていくことの重要性にかんがみ、道学教師理事長賞を創設し、高い評価を得た教員を表彰することにしています。パンフレットの中に資料が入っていますが、表彰される教員は、学生や教員の方々の投票・推薦によって選ばれます。現在投票を受け付けていますので、学生の皆さんは、この先生に教えていただいてよかった、そう思う先生をぜひ投票してください。
学内の教職員と話をすると、誰もが、本学の校歌、大学歌があったらいいという思いを持っていました。確かに、私自身を振り返っても、校歌は、在学時には激励の応援歌であり、卒業後は思い出の縁(よすが)であり、校歌には言い尽くせない良さがあります。そこで、本学の大学歌を作ることとし、教職員・学生の力を結集して、つまり我々自身が、自分たちが主体になって、取り組むことにいたしました。
教職員からなる大学歌企画委員会を設置し、川畑副学長に委員長をお願いしました。歌詞は、在学生、卒業生、教職員など大学関係者から募集しました。23作品の応募があり、どの作品も大学への思いが込められた力作でした。
その中から一つ選ぶ、その選考に当たって、一次選考には学生代表、卒業生代表、保護者代表の方々にも加わっていただき、最終選考は企画委員会が行いました。その結果、社会福祉学科の丸山暁さんの歌詞が選ばれました。基本理念をしっかりと捉え簡潔にして適切な表現であること、本学の情景や特徴をよくとらえていること、そういう内容が高く評価されたとのことです。歌詞に付された丸山さんの解説を読むと、歌詞の一つ一つの言葉を深い思いを込めて選んでいることが分かります。素晴らしい作詞を心から称賛いたします。
作曲は、埼玉県ゆかりの作曲家にお願いするという方針のもと、卒業式の時に多くの学校で歌われている「旅立ちの日に」を作曲された、高橋浩美先生にお願いしました。高橋先生には快くお引き受けいただきました。本学のことをよく調べてイメージを醸成されて、先生のお話として担当者から聞きましたが、「曲が天から降りてきた」とのことです。素晴らしい曲はそのようにして生まれてくるのかもしれません。先ほど先生ご自身に歌っていただき、拝聴させていただきましたが、凛として、清々しく、一度聞くとすぐに口ずさむことができるような、明るく親しみやすい曲であります。素晴らしい曲をありがとうございました。
私は日本一の大学歌ができたと思っています。この大学歌が、学生、教職員にいつでも口ずさまれ、そして、歌詞に織り込まれている基本理念が本学の学風として定着し、卒業した後でもこの大学歌を聴くと初心を思い出して頑張ろうと心を奮い立たせる、そういう心の拠り所になるものと、大きな期待を持っています。
この日本一の大学歌に相応しいように、本学は、保健医療福祉の分野で日本一の大学を目指します。その要は、人間性豊かな、温かい心を持った人材を育成することです。基本理念の具現化です。そして、卒業した後も、「埼玉県立大学で学べてよかった」と思える大学にしていくことです。
このたび完成したこの素晴らしい大学歌とともに、ここにいる皆さんと、そしてこれから入学してくる皆さんや卒業していく皆さんと、力を合わせて、日本一の大学を目指していきたいと思います。その思いをご列席の皆さんと共有し、重ねて、高橋先生、丸山さんに御礼を申し上げまして、私のご挨拶といたします。ありがとうございました。