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2024年度 入学式 学長式辞

2022年度 入学式 学長式辞




式辞

新入生およびご家族の皆様、保健医療福祉学部および大学院研究科への入学を、埼玉県立大学の教職員と学生を代表して、心よりお祝い申し上げます。

また、ご多忙にもかかわらず、ご列席を賜りました埼玉県知事 大野 元裕様、埼玉県議会議長 齊藤 邦明様、越谷市長 福田 晃様をはじめ、ご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。

本学は1999年に設立され、2015年には大学院博士課程を開設して、学部から大学院までの一連の高等教育課程が完成致しました。
開学以来、教育の基本方針として専門職連携教育を全国の大学に先駆けて取り入れ、2015年に基本理念「陶冶・進取・創発」を制定致しました。

連携教育と基本理念は、本学に集う教職員と学生の行動規範であり、「連携と統合」という、埼玉県立大学魂、SPU魂を培うものであると考えております。
「連携と統合」は、弱者や困っている人に手を差し伸べる、他者を慮(おもんぱか)る利他や寛容、そして目標に向かって作用し合う協働により成り立つ社会を形成するための基盤となる価値観です。
この価値観は、これからの各クラスでのグループ学習やサークルなどに参加し活動するための基盤でもあります。

新型コロナウイルス感染症が収束し、ようやくポストコロナの新しい社会に向かっています。
コロナ禍を顧みると、改めて対面で直接的なふれあいによる人と人の交わりの必要性が再認識されました。
さらに命の尊さや保健医療福祉領域で働く専門職の偉大さに気づかされました。

私たち、保健医療福祉領域で働く者として、この経験は、改めて人間とは、人とは何かという人への理解を深める機会となったと思います。

例えば、ウイルス感染に対して身体反応を示す生物学視点から捉える生物としての人、不安や孤立感を感じる心理学の視点から捉える心としての人、更に仕事や学校で学ぶことの制限などの社会学的視点から捉える社会的役割としての人、これらは、人の研究における3つの視点とされ、生物心理社会モデル、バイオサイコソーシャルモデルと言います。
保健医療福祉の専門性の修得を目指し学部に入学された皆さんは、この人間、人の理解から学びが始まり、人との関わり、助けを求めている人との関わり、いわゆるヒューマンケアについて学びを深めて行きます。
また、大学院へ入学された皆さんは、人への理解をさらに深化させ、それぞれの専門領域においてヒューマンケアに寄与する研究へと学びを深めて頂きたいと思います。
大学は講義を受けるだけのところではありません。
サークル活動やボランティア、アルバイトなど、大学生としての生活体験をとおして、学生であると同時に自律した社会人としての振る舞いを経験、学習する場でもあります。
私たちは、この経験、学習の場である大学を、学習コミュニティと言っています。このSPU学習コミュニティを謳歌して下さい。思いっきり大学生活を楽しんで、学生として主体的に学びを深めて下さい。

本学には、全国から学生や教職員が集まっています。教員の専門分野も多彩です。学内の教育設備は、埼玉県の支援により充実しております。
みなさんは、埼玉県立大学と教職員を十分に活用してください。本学教職員は、皆さんを全力で支援致します。

本学に入学したことで、一つの目標が達成されたことになりますが、目標は、達成されると新たな目標ができます。目標はつきることはありません。埼玉県立大学で学ぶことのプライドを持ち、志を全うすることを期待し、私の式辞と致します。

本日は、入学おめでとうございます。
 

2024年4月2日

 

公立大学法人埼玉県立大学学長
星 文彦