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2024年度大学卒業式・大学院修了式 学長式辞

2022年度 卒業式 学長式辞


式辞

本日、学士の学位を取得された保健医療福祉学部419名、および、修士あるいは博士となられた大学院研究科32名の皆さん、本学の教職員と在学生を代表して、心からお祝いを申し上げます。

この卒業の日まで、皆さんの勉学を支え、励ましてこられたご家族やご支援を頂きました皆様もさぞやお喜びのことと思います。心から感謝とお祝いを申し上げます。
また、ご多忙にもかかわらず、ご列席をいただきました埼玉県知事 大野 元裕様を始めご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。

1999年に開学した本学は今年度25周年を迎え、四半世紀という歴史を振り返ることができる年齢となりました。
そして、卒業生、修了生は、皆さんを含め10,415名となり、1万名を超える同窓生が社会で活躍しています。
本学の教育の基本方針である専門職連携教育と基本理念である「陶冶・進取・創発」を行動規範として、本学で培った連携と協働を胸に未来に向かって羽ばたいていただきたいと思います。

皆さんは、新型コロナウイルス感染症パンデミックという未曾有の厄災のなかで、厳しい制約を受けながらも、大学受験をし、大学で学びをはじめ、通常生活に戻った今、本日を迎えることができました。
この間、目標を見失うことなく、学位取得という、有終の美を飾ることが出来ました。
この4年間の生活を顧みると、コロナ禍と伴に、社会に大きな変化がありました。
インターネットの環境拡大によるSNSの功罪、無意味な戦いや分断、経済格差の拡大、自然災害など、今は、予測ができない不確実な時代と言われています。
一方、この経験は、自分らしさを表現することや相手を尊重する多様性と寛容の価値観、そして互いに支え合うこと、連携と協働の大切さを改めて教えてくれたのではないでしょうか。

本学の基本理念である「陶冶・進取・創発」と教育の基本方針である専門職連携教育、IPEは、保健医療福祉分野の専門職が連携協働する事だけではなく、日常生活、社会を構成するひとり一人の連携と協働の重要性を問うているのであります。

本学で学んだ連携と協働は、弱者や困っている人へ手を差し伸べる利他の価値が基盤となっています。
利他的行為とは、「自己の損失を顧みず他者の利益を図るような行為」を言います。
親による子どもの保護、子育てが代表例ですが、集団での協働作業においても重要な行動です。
しかし、自分自身が他者のために良かれと思い、行った行為は、自分自身の満足のための行為として、利他と相反する利己的行為になってしまう場合があります。
利他的行為は、相手から発せられる相互の関係の中にあって、自分中心からの発想ではないのです。
また、最終的に自分の利益享受のために相手に事前投資をするといった見返りを前提とした行為でもありません。
本学で培った連携、協働の基本となる価値観は、この利他にあることを忘れないでください。
皆さんが本学で培った価値観を胸に社会に貢献すると共に人生を謳歌することを願っています。

最後になりますが、皆さんのこれからの活躍は、本学の宝でもあります。
私も学長の任期満了により皆さんと共に本学を卒業します。

これからも本学との絆をしっかりと結び、将来の埼玉県立大学を一緒に作りあげて行きましょう。 皆さんの新しい人生の門出を祝し社会の様々な分野で、皆さんが力強く歩んでいくことを祈念して、私の式辞といたします。



2025年3月14日



公立大学法人埼玉県立大学
学長 星 文彦