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【参】メインイメージ(理事長、学長メッセージ)
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更新日:2019年04月09日
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平成31年度 入学式 理事長あいさつ

平成31年度 入学式 理事長あいさつ

平成31年度の大学・大学院入学式における田中理事長のあいさつです。

新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。
これまで皆さんを育て、温かく見守ってこられた御家族の皆様にも、心からお祝い申し上げます。
また、埼玉県知事 上田清司様、埼玉県議会議長 齊藤正明様をはじめ、御来賓の皆様、御支援をいただいております関係諸団体の皆様、お忙しいところ御臨席賜りまして、誠にありがとうございます。

今年は、埼玉県立大学の創立20周年にあたる記念の年で、来月には大掛かりな式典も行われます。とはいえ、これまでの発展を振り返るだけではなく、新入生の皆さんも一緒に、本学の更なる飛躍に向けたスタートの年としなければなりません。

県立大学は、これまでに約7,700名の卒業生を送り出してきましたが、その多くが、埼玉県内をはじめ、全国の様々な保健、医療、福祉分野などで活躍し、関係者の皆様から高い評価を得ています。
皆さんも、本学での学びを通じ、先輩たちに負けない活躍ができる人材として育っていく姿を期待します。

現在、日本に住む人は大変に長生きになりました。75歳以上人口は、1950年に比べ、70年間でほぼ18倍に増加しました。さらに85歳以上人口は、2035年には1,000万人を超えると予測されています。
高齢者の総数が増えると、元気な高齢者も増えますが、虚弱になる高齢者も増えます。
健康寿命後の10年間は、慢性的な疾患を抱え、日常生活を送るのに問題があり、肺炎や骨折、また認知症などのリスクを持った状態での生活でもあります。人類がつい最近まで経験したことがなかった、新しい社会を迎えているのです。

こうした時代背景の下、人々の生活や地域社会の維持に役立つ仕組みとして、各地で地域包括ケアシステムの構築が進められています。
地域包括ケアシステムとは、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域ごとの仕組みの名称です。様々な専門職種はもとより、住民が主体となった連携を実現させ、誰もが安心して住める地域を作るための設計図に他なりません。
皆さんには、この地域包括ケアシステムを多職種と協力して担っていける、質の高い優れた人材に成長する未来が期待されています。

ここで、お手元の式次第を開いてください。本学の基本理念として、三つの言葉が書いてあります。陶冶(とうや)、進取(しんしゅ)、創発(そうはつ)と読みます。

基本理念の前文では、「陶冶」、「進取」、「創発」を基本理念として、「保健医療福祉に関する教育・研究の中核となって地域社会に貢献します」と、本学のミッション・使命を謳っています。その後に、陶冶、進取、創発の意味するところが書かれています。それぞれについて少し丁寧に説明します。

「陶冶」は人格の陶冶などと使われますが、生まれついた性質や才能を鍛えて練り上げるという意味です。本学での学びを通して、あるいは教員や先輩の指導を契機として、自分自身が掲げる目標に向かって、自分自身を、特に自分の人間性を陶冶していくのです。

では、どのような方向に陶冶するか。本学の卒業生の多くは、保健・医療・福祉の分野で活躍しています。働く場では、様々な悩みや苦しみを持つ患者の方や、福祉サービスを利用する方などと接することでしょう。その人たちの悩みや苦しみを聞いて、寄り添って支える力と心が求められます。それができるようになるためには、多様な価値観を受け入れられる包容力、温かく豊かな心、強い責任感が求められます。

「進取」は進取の気性などのように使われますが、従来の慣習にこだわらず、進んで新しい事柄に挑もうとする精神を表します。社会は絶えず変化しており、学問も同様に日々進歩しています。自ら積極的に学ぶ姿勢を持ち続けてください。

「創発」は、個別の要素が多数集まる良い環境の下、質的に異なる高度なシステムが生ずる現象を意味しています。教職員も学生も個々に努力する姿勢をベースとしつつも、それらの努力の相互作用や融合によって新しい価値を創造していく、生き生きとした大学であり続けるための理念です。

基本理念の言葉は、普段あまり使わない難しい言葉かもしれません。しかし、含蓄する意味は深く、普遍性を持っています。大学を卒業してからも、人生の様々な場面で、自分の足元を照らし、自分の行き先を照らしてくれるはずです。基本理念を時折思い浮かべながら、充実した学生生活を送るよう祈ります。

本学は、この基本理念の下、教育・研究・地域貢献の使命を果たしていくとともに、保健・医療・福祉の分野における日本一の大学を目指しています。
教職員一丸となってこの目標に向かって取り組んでいるところですが、皆さんも一緒に、この思いを共有して進んでいきましょう。

最後に、皆さんが実り多く、かつ楽しい学生生活を送るよう、また皆さんが描くそれぞれの夢を実現できるよう祈念して、私のお祝いの言葉といたします。
皆さん、ご入学おめでとうございます。

平成31年4月2日

公立大学法人埼玉県立大学
理事長 田中 滋