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2016/04/06
皆さん、ご入学おめでとうございます。埼玉県立大学にようこそ。 本日ここに入学式を行うに当たり、新入生の皆さんならびにこれまで新入生を支えてこられましたご家族の方々に、埼玉県立大学を代表いたしまして心よりお祝いを申し上げます。 今日の佳き日に、新入生415名、三年次編入生24名、そして大学院生31名の計470名を、さらに、埼玉県と友好関係にある中国山西省の山西医科大学から、学部生4名および大学院生4名の留学生を迎えることが出来ました。 本日、皆さんを歓迎するために、ご来賓として埼玉県知事上田清司様、埼玉県議会議長宮崎栄治郎様をはじめ、日頃より大変お世話になっております関係の各団体や施設からも多くの皆様にご出席いただいております。この場をお借りして御礼申し上げます。 こうした多くの方々の祝福と期待を胸に刻み、時にそれを力に変えながら皆さんがこれからの学生生活を有意義に過ごされんことを願います。 さて、本学は、平成11年4月に開学して以来、今年で18年目を迎えました。また、地方独立行政法人法に基づく公立大学法人として7年目を迎え、埼玉県知事によって定められた第二期中期目標達成のための中期計画を作成して、本学の更なる発展を目指していくところであります。 第一期の中期目標であった保健医療福祉学研究科博士後期課程を昨年度に新設し、教育と研究の両輪が揃いました。さらに、本年度より地域貢献を目指す研究開発センターを設置し研究をさらに深化させてまいります。 本日、博士後期課程に入学された6名の皆さんは、さらに高度な専門知識を有する職業人または研究者あるいはその研究者を育てる教育者を目指しつつ、地域に還元できる研究成果を上げていただきたい。また、博士前期課程の25名の方には、自らの仮説を調査研究によって検証し、その成果を論文として公表するという一連の研究プロセスを学修していただきますが、保健医療福祉現場へ戻っての還元のみならず後期課程進学も視野に入れることを期待します。 昨年9月に本学の基本理念を定めました。「陶冶」、「進取」、「創発」です。「陶冶」は人間性を磨くこと、「進取」は新しい教育・研究への取り組み、「創発」は多様な連携による新たな価値創造、を謳うものです。本学は開学以来、いわゆる「連携と統合」の教育理念を掲げて教育を進めて参りましたが、基本理念はその上位概念として位置づけたもので、「創発」はあらゆる人との連携の重要性を表明しています。 ここで、学生生活で心がけていただきたいことを三つ提案いたします。 まず一つ目は、学ぶことについてです。 皆さんは、それぞれの専門分野を極めることに胸を膨らませていることでしょう。多職種間連携には自己の専門性を他者に伝える力と、他者の専門性を理解する力が求められます。そのためには、自己の専門性を高めるとともに、教養を深めておかねばなりません。専門科目のみならず教養科目もしっかり学んでください。 また、学ぶにあたっては、知識が与えられるのを待つのではなく、自ら求めて学んでいただきたい。さらに、得られた知識を鵜呑みにするのではなく、疑いを持ち、本当にそうなのか、何故そうなのかを常に確認することを心がけていただきたい。 二つ目は、コミュニケーションについてです。 昨今、若者のコミュニケーション能力の不足が指摘されています。文部科学省のコミュニケーション教育推進会議ではこの能力を「いろいろな価値観や背景をもつ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について、対話をして情報を共有し、自ら深く考え、相互に考えを伝え、深め合いつつ、合意形成・課題解決する能力」と捉えて初等中等教育で育むことが重要としていますが(*)、これは、まさに本学の「連携と統合」の教育理念の実現のために本学が学生諸君に求めている能力でもあります。 コミュニケーションの基本は相手に敬意を払うことです。自分の考えを一方的に相手に伝えるのではなく、敬意をもって相手の言葉に耳を傾けることが重要です。そこから真の対話が生まれ、相手を説得することも可能となります。これがコミュニケーション能力です。 三つめは、自律についてです。 大学は自由が基本であると私は考えています。学問の自由、研究の自由、行動の自由など様々な自由です。皆さんには自由な学生生活を送っていただきたい。ただ、その自由には責任が伴うことを忘れてはいけない。それが自律です。 従来、社会において大学生は法律とは別に大人として扱われてきました。学生にもその自覚があったと思います。最近その自覚が薄れているのではと危惧しています。早く大人になってください。選挙権年齢も18歳以上に引き下げられています。 以上三点を心に留めてください。 近年、急速な高齢化の進行などにより社会環境は大きく変化し、大震災から五年を経ても復興はまだ途上であります。このような中、健康でいきいきと暮らせる社会の実現が求められています。本学の使命は、保健・医療・福祉の分野において地域社会に貢献することで、今こそ、この本学の使命を果たすべき時であります。一人ひとりが何をなすべきかを自ら考えていただきたい。 学ぶ場は、キャンパスだけではありません。キャンパス以外の様々なところでの学びが、皆さんを成長させてくれると信じております。 ご家族の祝福と期待を胸に刻み、感謝の念を持って、勉学に励むとともに、友と触れ合い、多くの経験を積むことによって人間性を高め、自身の夢をつかんでいただきたいと思います。埼玉県立大学で学んだことが生涯の宝となるよう、教職員一同全力で支援していきます。 最後に、これから皆さんが有意義な学生生活を送り、未来への礎を築いていただくことを心から祈念しまして、式辞といたします。 本日は、洵におめでとうございます。
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