本文へスキップします。

【参】メインイメージ(共通)
大学上空から
タイトル

ニュース

ニュース:タブ
ニュース

第12回日本臨床検査学教育学会が本学で開催され 検査技術科学専攻の学生が『優秀発表賞』を受賞しました

ニュース

2017/09/21

第12回日本臨床検査学教育学会が本学で開催されました。特別講演として本学江利川理事長にご講演をいただいた他、松下誠大会長の講演、一般演題として109題のエントリーがあり、全国から550名を超える来場者が学会に参加しました。
一般演題においては本学の学生2名が『優秀発表賞』を受賞しました

学会概要

大会名:第12回日本臨床検査学教育学会学術大会
会   期:平成29年8月23日(水)~25日(金)
会   場:埼玉県立大学
大会長:松下誠教授

本年の学術大会は、松下誠大会長のもと本学で開催されました。
本学の江利川毅理事長による特別講演、日本臨床検査学教育協議会の奥村伸生理事長による基調講演、松下誠大会長による講演が行われました。
シンポジウムも「臨床検査技師養成課程において、真に学びのある連携教育とは?」など3つのシンポジウムの他、一般演題として109題のエントリーがあり、全国から550名を超える来場者が学会に参加しました。

大会の抄録は、こちらからご覧いただくことが出来ます

受賞概要

受賞:『優秀発表賞』
受賞者:中植   竜大(埼玉県立大学   保健医療福祉学研究科博士前期課程1年)
演題名:Legionella pneumophilaの血清群別を目的とした塩基配列の解析
共同演者:村井美代(検査技術科学専攻・准教授)、前川純子(国立感染症研究所・主任研究官)

 受賞者:山口   奈摘美(埼玉県立大学保健医療福祉学部   健康開発学科   検査技術科学専攻4年)
演題名:アガロースゲル電気泳動法を用いるリポ蛋白分画における各脂質の反応性の相違
 ― コレステロールとトリグリセライドの和を染色する新たなリポ蛋白分画との比較 ―
共同演者: 松下誠(検査技術科学専攻・教授)、中島一樹(保健医療福祉学研究科博士前期課程1年)、池澤里桜(検査技術科学専攻4年)、小澤恵里(検査技術科学専攻4年)、高橋由季(検査技術科学専攻4年)、我妻朋代(検査技術科学専攻4年)

 一般演題109題のうち、全国の17の大学院から41演題、15大学から34演題と多数の学生発表がありました。その中から本年は大学院7題、学部6題が優秀発表賞に選考されました。
受賞者一覧は、こちらからご覧いただくことが出来ます。
なお、本研究の概要、受賞者の抱負等は、日本臨床検査学教育学会の学術雑誌である『臨床検査学教育』(2019年3月発行)に掲載される予定です。

中植竜大さんの研究概要、コメント、研究指導教員からのコメント

受賞演題
Legionella pneumophilaの血清群別を目的とした塩基配列の解析

≪研究概要≫
Legionella pneumophilaは、肺炎を主な病型とするレジオネラ症の原因菌です。感染源には、冷却塔、給水給湯設備、循環式浴槽などがあり、レジオネラ症が報告された場合、感染源の特定を行います。感染源の特定には、環境および患者さん由来の菌の血清群別が必要となり、現在は、抗血清を用いた凝集反応にて行われていますが、群別できない菌株の存在が問題となっています。
本研究では、日本で分離された菌株を対象に、新たに提唱されたPCRによる血清群別法を検討したところ、血清凝集反応で群別出来た菌株でもPCR法で結果が得られないケースを多数確認しましたので、その原因究明のため標的遺伝子の塩基配列を解析しました。

≪中植竜大さんコメント≫
この度、本学開催という貴重な機会にて優秀発表賞をいただけたことを大変光栄に思います。また、研究を行う上でご指導してくださいました先生方を初め、大会運営に携わってくださった多くの方々に深く感謝申し上げます。今回の受賞に慢心することなく、臨床検査の分野において社会全体に貢献できる成果をあげられるよう、今後とも研究活動に励んでいきたいと思います。
≪前川純子国立感染症研究主任研究官コメント≫
中植竜大さんは国立感染症研究所細菌第一部でレジオネラの分子遺伝学的研究を行っています。本研究で現行のPCR法による血清群別法の不備をDNA解析から明らかにし、新たなPCR法確立のための基礎的研究に取り組んでいます。今回の発表は内容だけでなくプレゼンテーションも素晴らしかったと思います。おめでとうございます。

山口奈摘美さんの研究概要、コメント、研究指導教員からのコメント

受賞演題
アガロースゲル電気泳動法を用いるリポ蛋白分画における各脂質の反応性の相違
 - コレステロールとトリグリセライドの和を染色する新たなリポ蛋白分画との比較 - 

≪研究概要≫
脂質検査は、総コレステロール(TC)、中性脂肪(TG)、HDL-コレステロール(HDL-C)などを自動分析機で測定する検査、およびこれらの脂質がタンパク質と結合して可溶化されたリポタンパクを分画する検査LDL,VLDLなどの割合を測定)があります。今回私達は、現在臨床検査で使用されているFat red法を用いるリポタンパク分画は、TCやTGなどの脂質を均等に染色することができないことを明らかにし、これらを均等に染色して分画することが可能な新たなリポタンパク分画検査法を報告しました。この方法ではTC, TG, HDL-C検査と組み合わせることで、各リポタンパク中のTG量を測定することが可能となり、今後新たなリポタンパク分画法として期待されます。

≪山口奈摘美さんコメント≫
今回このように優秀発表賞をいただくことができ大変喜ばしく思うとともに、丁寧にご指導してくださった松下先生や、共同研究者のメンバーには感謝の気持ちでいっぱいです。私はこれまでの学びの中で脂質に特に興味を持っていたため、このようなテーマを研究できたことを光栄に思いますし、今後いずれはこの研究が、臨床で用いることができるような新たな染色法の開発に繋がることを心から願っています。

 ≪松下誠教授コメント≫
山口さん、優秀発表賞受賞おめでとうございます。現在使用されているリポタンパク分画検査は、1970年代に考案された古典的な検査法です。この間、1990年代には個々のリポタンパク中に含まれるHDL-CやLDL-Cを直接測定する検査法が確立されています。今後、現在の脂質検査に合致したリポタンパク分画検査が必要と考えます。