この企画は,今年度で3回目となり,年々応募件数が増えており,小学生に限っては300名以上の応募をいただきました.ただ,実際に3Dプリントまでを体験するという内容であり,3Dプリントに少し時間がかかるため,各日約15名ずつの方しかお呼びすることができませんでした.お申込みいただいたにもかかわらず,ご参加できなかった皆様申し訳ありません.また来年も企画いたしますので,お申込みいただけますと幸いです.
このような状況の中ご参加いただいた皆様には,大好評で帰っていただけたかと思います.ご参加いただいた小学生,中学生,高校生,その保護者の皆様,そして中学校や高校の先生方,医療福祉専門職の方々,誠にありがとうございました.
作業療法士などのリハビリテーション専門職は,日常生活の困りごとについて,関節の動く範囲や筋力の改善に向けたリハビリテーションだけでなく,その方に合わせて自助具を作製し提供して,今の状態でできるようにする支援も行います.最近では,その自助具を3Dプリンタを使って,作製する機会が増えてきていますので,今話題の3Dプリンタと作業療法とを掛け合わせて,小学生や中学生,高校生,その保護者の方々,そして小学校や中学校,高校の先生方に,3Dプリンタを知って体験してもらうことはもちろん,作業療法などのリハビリテーションを知ってもらうことも目的として企画しています.
今回は,「3Dプリンタってなに?」「3Dプリンタと作業療法」の講義や,「3Dモデリング体験」「3Dプリント体験」という基礎から少し応用まで体験してもらいました.「3Dプリンタってなに?」では,3Dプリンタの特徴や3Dプリンタで印刷できるものについて,紹介しました.「3Dモデリング体験」は,実際にパソコンを使って,3Dデータを作ってみる(3Dモデリング)という体験を行いました.初めての3Dモデリングではありましたが,すぐに使えるようになっており,小学生や中学生,高校生の吸収力や実践力に驚きました.
「3Dプリント体験」では,小学生・中学生には自分の好きな形に,自分の名前などを入れたキーホルダーを,高校生や先生方,医療福祉専門職の方々には自分だけのペットボトルオープナーを3Dモデリングし,世界に一つだけのキーホルダーやペットボトルオープナーを作ってもらいました.一緒に参加した保護者の方々と一緒に考えたり,作ったりと,親子関係が深まる一面も見られました.世界に一つだけのキーホルダーやペットボトルオープナーを3Dモデリングした後は,実際に3Dプリントしてもらいました.3Dプリント中は,本を開いておくことのできるブックホルダーを考えてもらい,作業療法士が患者さんや対象者に作る自助具の過程の一部を体験してもらいました.中にはすぐにでも使えそうな素晴らしい案を考えてくれた参加者もいて,小学生や中学生,高校生の柔軟な発想や実践力にとても可能性を感じました.
また,小学生や中学生,高校生だけでなく,保護者の方々にとっても,初めてみる3Dプリンタにとても興味津々で,3Dプリンタを操作すること,3Dプリンタがどのように動くのか,自分で作ったキーホルダーやペットボトルオープナーがどのようにプリントされるのか,自分で作った通りに印刷されるのか,とても目を輝かせて見ていたことがとても印象的です.さらには,自分でデザインしたモノがプリントされ,形になる感動を味わっていました.
最後は,「3Dプリンタと作業療法」として,3Dプリンタと作業療法がどのように結びつくのか,3Dプリントされたものがどのように作業療法場面で使用されるのかについて,紹介しました.このようなデジタル機械を使うことで,「人に合わせたモノづくり」が可能になること,そのモノがあることで,その方の生活を変えることができることを少し知っていただけたのではないでしょうか.また,作業療法士は,怪我をしたり,病気になってから出会うことが多い専門職のため,普段の生活の中では知ることが少ない仕事ではありますが,今回のような企画を通して,作業療法士という仕事があることを少し知ってもらえたのではないかと思います.
