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博士前期課程1年次 田中満里奈さんが第59回日本臨床化学会年次学術集会トラベルアワードを受賞しました

研究科博士前期課程

2019/10/10

1.受賞概要
(1)学会名:第59回 日本臨床化学会 年次学術集会
(2)会期:令和元年9月27(金)~29日(日)
(3)会場:仙台国際センター
(4)受賞:トラベルアワード
(5)発表タイトル:『血液型や食事の影響を受けないIFCC法を用いるALP活性測定』
(6)受賞者:埼玉県立大学大学院 博士前期課程 健康福祉科学専修 1年 田中 満里奈

2.研究内容
   アルカリ性ホスファターゼ(ALP)には肝型・骨型・小腸型・胎盤型の4つのアイソザイムがあります。このうち、肝型や骨型ALPは肝胆道系疾患や骨疾患などのスクリーニング検査として有用とされている一方、小腸型ALPについては血液型や食事による影響を受けやすく、臨床的な意義が低いことが報告されています。現在日本で広く用いられているJSCC法には、他の測定法に比べ小腸型ALPの影響を受けやすいことや、日本独自の測定法であり検査値の世界的な統一ができないことなどの問題点があります。このような背景から、2020年度をめどに国際的に広く用いられているIFCC法への変更が予定されています。この変更に伴い、小腸型ALPの影響を従来に比べ軽減できることが確認されていますが、その影響を完全に除くことはできません。
   そこで私たちは、小腸型・胎盤型ALPの阻害剤をIFCC法対応試薬に添加することで、血液型や食事の影響を受けない改良IFCC法を組み立てました。今回、この測定法により、小腸型ALPの影響をさらに大幅に軽減できることを報告しました。

3.受賞者のコメント
   この度はこのような賞に選出していただき、大変光栄に思います。日頃よりお世話になっている松下先生をはじめ、研究室のメンバーや、この賞の選出に関わってくださった全ての方々に感謝いたします。この研究が今後のALP活性測定のより良い評価につながれば幸いです。今後は、これを糧にさらに研究活動に尽力していきたいと思います。

4.指導教員(松下誠教授)のコメント
   本学臨床化学研究室では、およそ30年間に亘り、血液型とALPとの関係を研究してきました。私たちのこれまでの研究内容が評価され、血液型の影響がより少ないIFCC法への変更が決定しました。変更は2020年4月となります。田中さん、私と一緒に最後の仕上げを行ってください。受賞おめでとうございました。