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2024年度 入学式 理事長あいさつ

2023年度 入学式 理事長あいさつ

 

理事長写真

 

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

これまで皆さんを育て、応援してこられた、ご家族や関係者の皆様のお慶びもひとしおのことと存じます。謹んでお祝い申し上げます。
また本日は、大野 元裕 埼玉県知事をはじめ、ご来賓の皆様には、お忙しい中をご臨席賜り、まことにありがとうございます。

本学理事長の田中滋でございます。

理事長とは、公立大学法人の運営を預かる責任者です。その公立大学法人を代表して、新入生の皆さんの本学への入学を歓迎する祝辞をお伝えします。

わが国は、三十年以上続いてきた長期の経済不況からようやく脱しようとしています。
経済成長をリードする先端産業で人々が活躍するためには、日常生活の不安をできる限り少なくする必要があります。

本学卒業生は、先端産業に直接かかわる人材はさほど多くないと思われます。
しかし、仕事の場で後顧の憂いなく働くための社会の安心感を支える、保健・医療・福祉・保育等の分野で活躍する、とても大切な役割を果たす人材を育てているとの自負を持っています。

皆さんに対する社会からの期待はとても高いと信じてください。

本学に話を戻すと、埼玉県立大学は、1999年の開学以来、わが国で最も早く、専門職連携実践(Inter-Professional Work:IPW)と、それを実現するための専門職連携教育(Inter-Professional Education:IPE)を進めてきました。
複数の専門職が協働して行うグループワークを通じ、連携力を養う教育と実習を大いに楽しみに期待しましょう。
もう一つ、地域包括ケアシステムと呼ばれる政策手法を誘導してきた実績にも触れておきます。
地域包括ケアシステムとは、「誰もが、望むなら、住み慣れた地域の住みかにおいて、尊厳を保ちつつ安心して暮らし続けられるための仕組み」を指します。
人々の健康と暮らしを生活圏域において切れ目なく支えることを目標に、各地で進展しつつあります。
 本学は、埼玉県内をはじめとする自治体が、地域包括ケアシステムを構築する際の支援を行っています。
 新入生の皆さんも、授業や実習などでこの仕組みについて学んでいくはずです。

次に、本学の基本理念を取り上げます。 理念は、陶冶、進取、創発という三つの言葉で表されます。
いずれも、日ごろの生活では聞きなれない言葉だと思われるので、簡単に説明しておきます。

「陶冶」は、生まれついた性質や才能を鍛え、練り上げることを表現する言葉です。
「進取」は、従来の慣習にとらわれず、進んで新しい事柄に挑もうとする精神を指します。
社会は絶えず変化しており、学問も現場も日々進歩しています。自ら積極的に学ぶ姿勢を持ち続ける意欲、 と理解してください。
「創発」は、多様で優れた人材が集まる良い環境の下、さまざまな出会いを通じ、元の次元とは質的に異なる、高度なシステムが生ずる変化を意味しています。

この三つの理念を一つの文章で表すと次のようになります。
「様々な人にそれぞれの価値観を尊重しながら寄り添えるよう、人格を陶冶し、進取の気象をもって新しい事柄に挑戦し、多様な連携を通じて新たな価値を創発する」と表せます。
埼玉県立大学は、この理念の下、優れた研究を土台とする、専門職連携教育や地域包括ケアシステム構築支援などを通じ、保健医療福祉分野における日本一の大学を目ざしています。
本学は、これまでに約1万名の学部卒業生・大学院修了生を世の中に送り出してきました。
その多くは、埼玉県内をはじめ、全国の保健、医療、福祉分野や、官公庁あるいは企業などで活躍し、関係者の皆様から高い評価を得ています。

新入生の皆さんも、本学のメンバーとして、学修や研究、さらに良き仲間づくりに励んでください。
結びにあたり、皆さんが実り多く、かつ有意義な学生生活を送り、またそれぞれが描く夢を実現できるよう、教職員一同、全力で支援していく決意をお伝えします。

皆さん、ご入学おめでとうございます。

2024年4月2日

 

公立大学法人埼玉県立大学 理事長
田中 滋