
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
これまで皆さんを育て、支援してこられた、
ご家族や関係者の皆様のお慶びも
ひとしおのことと存じます。
謹んでお祝い申し上げます。
本学理事長の田中滋でございます。
理事長とは、大学を設置する公立大学法人の
運営責任者であります。
なお本日は、ご多忙の中、多岐にわたる重要課題に
日々取り組んでおられる大野元裕埼玉県知事、荒木裕介埼玉県議会議長、福田晃越谷市長、岩中督埼玉県立病院機構理事長にお越しいただいております。
ご来賓の皆様、お忙しい中をご臨席賜り、誠にありがとうございます。
公立大学法人を代表して、心より御礼申し上げます。
さてここからは、新入生の皆さんの本学への入学を歓迎する祝辞をお伝えします。
まず本学の成り立ちを短く紹介します。今から30数年前の1990年代初めごろ、「21世紀になってからの埼玉県における65歳以上人口の増加は日本一のスピードで進む」との予測が明らかとなりました。これを受け、保健医療福祉分野において幅広く高度なサービスを担える、質の高い人材を県内で養成する取り組みが不可欠だ、との認識が関係者の間で広く共有されるようになりました。
こうした社会的要請に応えるべく、
本学は全国初となる保健医療福祉学部を有する大学として、1999年に開学し、今年28年目を迎えました。
埼玉県立大学は、開学当初から、保健医療福祉専門職の連携と統合の基盤を重視してきました。
具体的には、本学は開学以来、わが国で最も早く、専門職連携実践と、それを実現するための専門職連携教育を進めてきました。
2010年には地方独立行政法人の一種である
公立大学法人となり、外部からの評価の機会を拡大するとともに、機動的で柔軟な大学運営体制が図れるようになりました。さらに、一層の発展を図るべく、高度な専門職業人や研究者の養成のための大学院、あるいは学生支援センター、高等教育開発センター、研究開発センターなど、7つの各種センターを
設立・発展させてきました。
次に本学の基本理念を確認しておきます。
理念は、陶冶・進取・創発の3つからなります。
やや聞きなれない言葉ですので、簡単に説明しておきましょう。
陶冶とは、生まれついた性質や才能を鍛え、
磨き上げる努力です。進取とは、従来の慣習にとらわれず、
積極的に新しい世界へ挑もうとする精神です。そして創発とは、多様な要素が良い環境のもとに集まるありかたを通じ、個々の力を超えた高度なシステムや価値が生まれる現象を指します。
埼玉県立大学は、この理念の下、優れた研究を土台とする、教育と地域貢献を図り、保健医療福祉分野における日本一の大学を目指しています。
本学は、これまでに1万名を超える学部卒業生・大学院修了生を世の中に送り出してきました。その多くは、埼玉県内を中心に、全国の保健、医療、福祉分野や、官公庁、NPO、企業などで
活躍しており、関係者の皆様から高い評価を得てきました。
ただし、高齢化への対応が主たる課題として意識されていた30数年前と比べ、社会のニーズは格段に複雑化してきています。
たとえば、今後最も力を注がなければならない社会課題は、少子化傾向からの脱却であることに異論はないでしょう。
また今後急増する、各種の生活支援ニーズに
対しては、保健医療福祉の枠内に留まらない新たな視点と取り組みが求められていきます。
新入生の皆さんも、本学のメンバーとして、今例を挙げたこうした時代のニーズに応えられるよう、学修や研究に励むことが求められます。加えて、大学生活では、良き仲間づくりに励み、楽しい時間を過ごしてださい。複数の専門職が協働して行うグループワークを
通じ、連携力を養う教育と実習は、必ずや皆さんの人間力を高めます。専門職連携教育を通じて、様々な仲間との出会いも起きるでしょう。
結びにあたり、皆さんが実り多く、有意義で、かつ楽しい学生生活を送り、またそれぞれが描く夢を実現できるよう、教職員一同、全力で支援していく決意をお伝えします。
皆さん、ご入学おめでとうございます。
2026年4月2日
公立大学法人埼玉県立大学
理事長
田中 滋