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2023年度大学卒業式・大学院修了式 理事長あいさつ

2022年度 卒業式 理事長あいさつ

卒業生・修了生の皆さん、ご卒業・学位取得まことにおめでとうございます。

今日まで長きにわたって育て、支え、守ってこられたご家族の皆様も、ひとしおお慶びのことと存じます。

教職員一同心よりお祝い申し上げます。
また、激甚化する自然災害への備えや人口減少や超少子高齢化社会に向けた子ども支援など、数多くの重要課題に日々取り組んでおられる大野埼玉県知事をはじめ、ご来賓の皆様には、お忙しい中をご臨席賜り、まことにありがとうございます。

ところで、卒業・修了される皆さんは、実に4年にわたり、勉学や研究に何らかの支障を伴うコロナ禍の期間を過ごしてこられました。
ここで歴史を少しだけ遡ってみると、20世紀以降の現代社会においても、日本のみならず世界各国も苦しい時期を経験したものの、皆の力で乗り越えてきたことがわかります。

100年少し前に起きた、スペイン風邪と呼ばれたウィルス感染によるインフルエンザ・パンデミックや、80年ほど前の第二次世界大戦期など、いずれも今回の新型ウィルス感染症よりはるかに大きな被害が生じました。
しかし、そうした苦しい時期にあっても、学生たち、大学院生たちは、次の時代のための学びを見つけていったと記録されています。

人は、想定していなかった困難な事態に遭遇しても、考え、進化できます。
何より、同じ苦しい時間をすごした同級生とは、卒業後も強い信頼関係で互いにつながり続けられることでしょう。

ところで、卒業・修了される皆さんの多くが働く医療福祉分野に対しては、今後30年にわたって大きなニーズが存在し続けます。
約10年後には1,000万人を超えると予測されている85歳以上人口、また、拡大する経済力格差などがその理由です。
つまり、社会は皆さん方の力を期待して待っているのです。
急速に進む少子化傾向に歯止めをかける社会システムの構築は社会の大きな課題であり、本学で学んだ皆さんの力や貢献が期待されています。

埼玉県立大学の基本理念である「陶冶」、「進取」、「創発」を、これからの社会と、そこでの自分の役割を考える上での鑑となる言葉としてとらえてみましょう。
様々な人にそれぞれの価値観を尊重しながら寄り添えるよう、人格を陶冶し、進取の気象をもって新しい事柄に挑戦し、多様な連携を通じて新たな価値を創造する。
このような基本理念を持つ埼玉県立大学は、日本一と自負する多職種連携教育と合わせ、社会に大きな貢献を果たす人材を輩出してきました。
一般企業や自治体に務める方も含めて、新しい卒業生・修了生の皆さんも、そうした優れた仲間に加わり、すでに働いておられる方々はその中のリーダーとなるのです。

卒業生・修了生の今後の発展と活躍を心より祈念しつつ、私のお祝いの言葉といたします。

ご卒業・修了、誠におめでとうございます。


2024年3月15日

 

公立大学法人埼玉県立大学
理事長 田中 滋