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2023年度大学卒業式・大学院修了式 学長式辞

2022年度 卒業式 学長式辞


式辞

式辞に際し、この度の能登半島地震において、亡くなられた方々と被災された方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

本学においても、被災された学生が本日卒業を迎えられたことは本当に良かったと思います。

さて、本日、学士の学位を取得された保健医療福祉学部407名、および、修士あるいは博士となられた大学院研究科27名の皆さん、本学の教職員と在学生を代表して、心からお祝いを申し上げます。
この卒業の日まで、皆さんの勉学を支え、励ましてこられたご家族やご支援を頂きました皆様もさぞやお喜びのことと思います。心から感謝とお祝いを申し上げます。

また、ご多忙にもかかわらず、ご列席をいただきました埼玉県知事 大野 元裕様を始めご来賓の皆様に厚く御礼申し上げます。
この度の卒業式は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、大学の教学活動や学生活動が通常の状況に戻ったことを受け、ご家族やご来賓の皆様にもご列席頂き開催することが出来ました。
このように、一堂に会して祝えることを大変嬉しく思います。

本学は、1999年の開学以来25年目を迎え、卒業生、修了生は、皆さんを含め9,957名となりました。
本学の教育の基本方針である専門職連携教育と基本理念である「陶冶・進取・創発」を行動規範として、本学で培った連携と協働を旨に未来に向かって羽ばたいていただきたいと思います。
学部の課程を修了し、学士となったことは、皆さんに多様な未来を開きます。
多くの方は専門職として、あるいは専門的知識を得て社会で活躍していくことでしょう。
さらに、世界中の大学院や高度専門職課程への進学の機会が開かれました。

修士あるいは博士号を取得された方は、高度実践者として臨床現場で、あるいは教育者・研究者として新たな学術分野で、存分の活躍を期待します。
皆さんは、新型コロナウイルス感染症パンデミックという未曾有の厄災のなかで、厳しい制約を受けながらも、目標を見失うことなく、学位取得という、有終の美を飾ることが出来ました。
平時の大学の学びでは得ることが出来ない、大きな智力を得られるものであったと思います。

皆さんは、これからの人生の中でいろいろな壁にぶつかり、悩み、迷い、苦悩することがあるでしょう。
そのときは、是非、基本理念に立ち返り、星空を見上げてみてください。
無数の可能性の中から自分自身の進む道を見いだすことが出来ると思います。

今、感染拡大の収束とともに、日常の活動を顧みると、新型コロナウイルスは、自分らしさを表現することや相手を尊重する多様性と寛容の価値観、そして互いに支え合うこと、連携と協働の大切さを改めて教えてくれたのではないでしょうか。

本学で学んだ連携と協働は、保健医療福祉の専門家として、弱者や困っている人へ手を差し伸べる利他の価値が基盤となっています。

利他的行為とは、「自己の損失を顧みず他者の利益を図るような行為」を言います。
親による子どもの保護、子育てが代表例ですが、集団での協働作業において重要な行動です。
しかし、自分自身が他者のために良かれと思い行った行為は、自分自身の満足のための行為として、利他と相反する利己的行為になってしまう場合があります。
利他的行為は、相手から発せられる相互の関係の中にあって、自分中心からの発想ではないのです。また、最終的に自分の利益享受のために相手に事前投資をするといった見返りを前提とした行為でもありません。

本学で培った連携、協働の基本となる価値観は、この利他にあることを忘れないでください。
皆さんが本学で培った価値観を旨に社会に貢献すると共に人生を謳歌することを願っています。

最後になりますが、一つお願いが有ります。皆さんのこれからの活躍は、本学の宝でもあります。
これからも本学との絆をしっかりと結び、将来の埼玉県立大学を一緒に作りあげて、いただきたい。

本日は皆さんの新しい人生の門出を祝し私たち教職員や先輩、皆さんの後に続く後輩と共に、社会の様々な分野で、皆さんが力強く歩んでいくことを祈念して、私の式辞といたします。


2024年3月15日



公立大学法人埼玉県立大学
学長 星 文彦