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彩の国連携力育成プロジェクト

トピックス
ともに学び、ともに感じ、ともに創る。そんな経験が私たちの暮らしを支える「連携力」に。埼玉県立大学、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学の連携による新しい教育プログラムが始まっています。
彩の国連携力育成プロジェクト

1 いま連携力が問われています

埼玉県立大学は、埼玉医科大学、城西大学、日本工業大学とともに、共同して教育プログラムを開発・実施し、学生の「連携力」を高める取組「彩の国連携力育成プロジェクト」をスタートさせました。文部科学省の2012年度「大学間連携共同教育推進事業」に選定されたこのプロジェクトの正式名称は、「彩の国大学連携による住民の暮しを支える連携力の高い専門職育成」。今後急速に少子高齢化が進む埼玉県において、地域住民の質の高い暮しをどう実現していけばよいのか。将来的には日本全国でも直面するであろうこの課題に対して、私たち4大学は、多様な専門領域を学ぶ学生が、自らの専門性を他の専門領域と協力しあいながら発揮していく力を養う機会を創出し、「連携力の高い専門職」を育成することにより、地域社会に貢献していきたいと考えております。
開学以来、埼玉県立大学は専門職連携教育(IPE;Interprofessional Education)を充実・発展させ、2009年度より埼玉医科大学との共同科目を開発しました。2012年度からは、城西大学・日本工業大学を含めた4大学の学生が共に学ぶ機会を創出するために、各大学の教職員同士が連携し、埼玉県内の関係機関・団体にもご協力を頂きながら、連携力の高い人材育成を行うことを目指しています。

2 プロジェクトが目指す人物像

これまでの専門職養成教育は、各分野育成する人材像の専門的な知識や技術を体系的に学ぶことが重視されてきました。もちろん、各専門分野の習得は基本となるものではありますが、現代社会の複雑化・複合化する地域住民の課題は、もはや一つの専門や職種のみでは解決することはできません。様々な専門家同士が、他の専門領域について理解しながら、チームとして一緒になって力を発揮することが必要となっています。
本プロジェクトでは、4大学の連携による学びの機会を創出・発展させ、「地域基盤型IPWコンピテンシー」を身に付けられるようなプログラムを展開しています。
これらの理論的・教育実践的な支柱になっているのは、専門職連携教育(IPE)です。高等教育機関において早くからこの課題に取り組んできた英国などでは、IPEを「複数の領域の専門職者が連携及びケアの質を改善するために、同じ場所で共に学び、お互いから学び合いながら、お互いのことを学ぶこと」と定義し、様々な形の教育を展開しています。また近年、わが国においても様々な保健医療福祉系の大学においてIPEの取組が行われています。

3 「彩の国連携科目」の概要

(1)ヒューマンケア論

相手の思いに寄り添ってケアを提供するとことは、ケアの担い手である専門職の基礎であり、目指すべき到達点でもあります。各大学では「ヒューマンケア論」において、援助を要する人々やケアをとりまく諸問題の専門家による講義、大学間共通のビデオ教材等を活用した授業が行われています。学生は講義やゲストの語り通して、ヒューマンケアの理念について学び、そのあり方を自ら考えます。

(2)ヒューマンケア体験実習

学生は、「ヒューマンケア体験実習」において保健医療福祉の実践現場に赴き、援助を必要とする人々や専門職と直接的に関わることによって、他者と関わる姿勢、 多様な人間性や価値観を理解しようとする姿勢を中心に学びます。援助を必要とする人々の生活(過去・現在・未来)や思い、彼らを援助する専門職の思いや姿勢などを見て、触れて、感じて、連携・協働による支援に おいて基盤となるヒューマンケアマインドを学習します。

(3)IPW論

学生は、「IPW論」において患者・利用者中心の支援活動をチームで行うための基本的考え方とスキルを 学びます。チームメンバー個々人やその専門分野の特徴と多様性を理解しあうととの重要性を知り、チーム形成やリフレクションの理論と方法の学びを通してIPWの基盤となる知識を修得します。

(4)IPW演習

IPW演習は、事例を通し当事者を尊重した課題解決についての議論を多職種混合チームで行う演習です。課題解決プロセスやチーム形成の深化に加え、葛藤と合意形成、リフレクションなどIPWに必要な能力を体験的に修得します。また、「緩和医療」や「リハビリテーションと生活空間デザイン」といった多様な大学ならではのテーマ設定、模擬患者の導入、住宅模型の活用など、様々な工夫が盛り込まれています。

(5)IPW実習

IPE実習では、学生は保健医療福祉の実践現場に多職種混合チームで赴き、援助を必要とする人々や専門職等への関わりやインタビューを通して、地域でのより良い生活のための提案をする課題に取り組みます。利用者・集団・地域の理解と課題の発見・解決のプロセス、多職種の相互理解のプロセス、チーム形成のプロセスを体験するとともに、チーム体験を振り返り、自らの今後の課題を見出します。

4 連携教育のための基盤づくり

4大学の連携を維持・継続するためには、4つの大学のぞれぞれの教職員が、Interprofessional work(IPW:専門職連携実践)を行わなければなりません。2012年~2016年度までの補助期間中、毎月1回の「共同会議」を開催したほか、年1回の「学長会議」、そして外部評価者を招いての「評価委員会」を開催しました。これらの成果も踏まえ、2017年度以降も継続してプロジェクトが進められるよう、4大学および埼玉県による「協定書」も締結しています。
また、様々な大学の教員や先駆的な実践を行っている現職者をお招きして研修会等を開催し、教育を支える教職員、実習施設関係者の皆様、一般県民も含む広く関係者の皆様の学習の場を創出し、地域における連携力の育成に取り組んできました。
「彩の国連携力育成プロジェクト」では、今後もこれらの活動を継続して実施し、「暮らしを支える人材」の育成に努めていきたいと考えています。

5 報告書等のご案内

パンフレット及び報告書のPDFをダウンロードいただけます。ぜひご一読ください。


*「輩出する専門職」のうち、取得できなくなっている資格・免許があります。
*健康行動科学専攻は、2025年4月に健康情報学専攻に名称変更し、養護教諭一種免許状は取得できなくなります。

詳細は最新の大学案内等でご確認ください。

6 日本学術振興会からの評価

文部科学省の補助期間終了を受け、日本学術振興会から事後評価が通知され、
本取組は最高評価であるS評価を得ました。

詳細な評価等は日本学術振興会ホームページをご覧ください。

(参考)本学のニュース:大学間連携共同教育推進事業について日本学術振興会から最高評価(S評価)を得ました

<各大学等へのリンク>