生活を科学するエキスパート
作業療法士は、からだやこころの不調などによって毎日の生活に困難を感じているあらゆる人に関わり、子どもから大人まで、それぞれの生活の場でその人らしい生き方ができるように支援します。本学では1年次より毎年、臨地実習の機会を設けながら、医学的知識や作業療法に必要な専門知識・技術を講義や学内実習、eラーニングなどで学びます。特に4年次には様々な分野の病院や施設で、実践的な作業療法を経験します。さらに、国内・外で活躍する作業療法士を招き、新しい作業療法の可能性を学び展開できる場を提供しています。作業療法士の仕事は、病院における急性期・回復期から、施設や地域・在宅における生活期のリハビリテーション活動まで幅広い対応が必要になります。そのため、科学的、分析的な思考能力と創造性及び柔軟性を養い、生活を科学するエキスパートとして問題を解決できる能力と行動力及び国際的な視野を備えた作業療法士を育成します。

作業療法学科では、人間を身体的・精神的・社会的側面から総合的に理解する専門的な思考法を身に付け、卒業後も各領域と協働して作業療法を実践し、主体的に科学的・創造的探究を継続できる基本的な能力を備えた人を育成します。

そのため、作業療法の基本として「作業療法の基礎」「作業療法の評価」の科目を主に2年次に、「作業療法の適応と実践」「地域の作業療法」の科目を3年次に、「臨地実習」の科目を2 ~ 4 年次に配置し、世界作業療法士連盟(WFOT) の認定校として登録されています。

就職情報
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学科長からのメッセージ
生活の再建をデザインし、その人らしい暮らしを支える作業療法
作業療法学科 学科長 臼倉 京子 教授
・作業療法(OT: Occupational Therapy)は、病気や障がい、高齢などで生活に困難を抱える方々が、「できること」「やりたいこと」「やるべきこと」を実現できるよう支援するリハビリテーションの一分野です。多くの方が「リハビリ=運動訓練」と思い浮かべますが、作業療法は日常生活の動作や社会参加を支えることが特徴です。
・作業療法士は、身体機能の回復を支援するだけでなく、生活の再建をデザインし、その人らしい暮らしを支える視点で支援を行います。食事・着替え・仕事・趣味など、個人が大切にする活動を再び楽しめるように補助具の活用や環境調整を提案します。また、認知機能や精神面のサポートも重要な役割であり、発達障がいのある子どもや認知症の高齢者、精神疾患のある方への支援も行います。
・作業療法士は、病院やリハビリテーション施設、福祉施設、介護施設、学校、在宅医療、企業など、幅広い分野で活躍しています。近年は地域包括ケアの推進により、地域社会での役割も拡大しています。
・本学の作業療法学科では、医療・福祉の最前線で活躍できる実践力を養い、専門的な知識と技術を身につけた作業療法士の育成を目指しています。「生活の再建をデザインし、その人らしい暮らしを支える作業療法」について、ぜひご理解を深めていただければ幸いです。
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