口腔保健科学専攻
口腔から健康を推進するプロフェッショナル
う蝕(むし歯)や歯周病は世界的にも罹患率の高い疾患です。なぜなら、これらの疾患は口腔内の細菌が原因で罹患しますが、同時に食事や歯みがきなどの生活習慣と深くかかわる生活習慣病だからです。さらには、歯周病の患者さんでは糖尿病や誤嚥性肺炎のリスクが高まることも解明されてきました。このように、「お口の健康」は「全身の健康」とも深くかかわっているのです。
歯科衛生士は歯や口腔の疾患を予防することで、患者さんの健康を守るプロフェッショナルです。口腔衛生に関する専門的知見を活かして、患者さんに合わせたオーダーメイドの口腔健康管理を提供します。
本専攻では臨床現場で即戦力となれる、質の高い歯科衛生士の養成を目的としており、高度な知識や技術を学ぶことができます。例えば、『歯科疾患予防処置』の分野では口腔内の炎症起因物質(歯石や歯垢)や着色の除去のテクニックを習得します。さらに、う蝕予防を目的としたフッ化物塗布やシーラント塡塞など、理論と実践を融合させた授業を展開しています。こうした授業は各分野で熟練した技術をもつ歯科医療従事者から直接学ぶことができます。

昨今は超高齢化社会に伴い、歯科衛生士の役割にも変化がおきています。特に、加齢や持病が原因で「オーラルフレイル」という状態になってしまい、日常の食事に不便を感じる人が増えています。こうした時代背景にも柔軟に対応すべく、本専攻では最新の情勢に即した教育カリキュラムの見直しを随時行っています。また、2019年より大流行している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防策にも力を入れています。最新の科学的根拠(エビデンス)にもとづき、医療者と患者さんの安全を第一に、質の高い教育体制を構築しています。
これからの歯科衛生士には、心身の健康や健康に関わる課題を十分に把握し、他職種との連携をとりながら、質の高い口腔保健活動を推進する能力が求められおり、今後ますます重要な役割を担う職種になることは間違いありません。そのため、本専攻では共通基盤である生命科学や多職種連携について理解し、広い視点から健康を追求しながら、口腔領域から健康を推進するプロフェッショナルの育成を目指しています。
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